日帰り登山・日帰りハイキング

金曜の夜から日曜の昼までは山に行くチャンス

金峰山(きんぽうさん・きんぷさん)秩父一の眺めを持つ百名山

金峰山の標高は2599m。山梨県と長野県の県境にある日本百名山で、秩父山地の中でも第二高峰の山となっています。最高峰となる山は北奥千丈岳で、どちらの山も大弛峠からスタートすることができます。他にも山の端から縦走する登山者や、両方の山を登るために大弛峠を中間地点にする人も少なくありません。

下の写真はどちらの山も選択できる大弛峠(おおだるみとうげ)といわれる駐車場です。日本最高所の駐車場と言われ、標高2361mまで自動車で登ってくることができます。駐車場について詳しく知りたい方は、下の写真をクリックすることで参照できます。

勝沼ICから大弛峠駐車場まで登ってくる途中、乙女湖を通過するためマイカーを停めて眺めを楽しむこともできます。

最初は30分程度かけて暗い中をひたすら登っていくことになります。登山ガイドで初級クラスという案内がされてありますが、この場所は傾斜がきつめで標高が2300mを越えているため高山病のリスクを考えて慎重に登っていかなければなりません。

最初に発症する身体の異常は、いつも生活している場所よりも空気が薄いため呼吸が速く深くなることです。自分の身体に酸素を取り入れるため、左右の肺がいつもとは違った呼吸の仕方をお願いしてきているのです。

呼吸が追いつかなくなってくると身体に色んな症状が出てきます。身体の全体がむくみはじめ、頭痛や吐き気につながっていきます。それが長く続くと疲労感や倦怠感で登山が苦しくなってしまいます。

屁が頻繁に出るのも標高と関係してきます。標高が上がると同時に気圧が低くなることで消化管に溜まったガスが膨らみ始めます。それに対して身体が屁を出してうまく消化管内を調節してくれているのです。しかし、体調不良や寝不足といった条件で高い登山をすると消化管が上手く働かずにガスが溜まり腹痛や嘔吐を起こすことがあります。

尾根に上がるまでの登山道には、「新道」と「旧道」の2つのルートがあります。旧道はロープで閉鎖され進入禁止とされていますが、新道には作られていない階段が点々と残っています。

30分程度で明るい尾根にたどり着くことができます。左側は山梨県側、右側は長野県側で、その間を歩いて頂上を目指すことになります。

この写真は山梨県側です。

雪や氷は2600mを超えると残りやすい条件をもつと言われています。9~10月には山霧が多く出ますが、10月末から気温が冷たくなり山霧の水滴が霜に変化します。朝一は霜で足元が滑りやすくなるため注意が必要になります。

尾根に出てから30分(合計60分)で朝日峠に到着しました。朝日峠は針葉樹のシラビソに囲まれ、周囲よりも低い位置にあるため展望はよくありません。

朝日峠から西側に向かって朝日岳を登っていきます。金峰山はその向こう側にあるため、このコースは2つの山を登ることができます。

朝日峠から尾根を登りかえしていくと足元に丸太が置かれています。霜が溶けると土のぬかるみができるため、丸太の上を歩きながらゆっくりと進んでいくことになります。ルート内では丸太のないところが多く、大きな水たまりがたくさんありました。次の一歩を考えながら進まなくてはいけないため、登山ガイドの本より登山時間を短くするのは簡単ではないかもしれません。

朝日峠から30分(計60分)で、尾根上に見晴らしのいい岩場に出てきます。左側が山梨県で右側が長野県ということになります。

下の写真は左を見たときの景色です。

下の写真は右側を見たときの景色です。

後ろ側を見た景色です。これは奥秩父です。

朝日岳の頂上からは金峰山が見えてきます。登山時間が短く案内されていますが、現地で景色を目の当たりすると短い登山には思えないルートに感じられます。

ここからはガレ場の斜面を一気に降りていきます。

再び森林帯に挟まれた稜線の中へ戻っていきます。ここからは少しずつ高山植物や岩の数が多くなってきます。

周囲の植物が低くなってくると、大きな稜線に出てきます。ここまで計140分です。

日本百名山の中で眺めのいい稜線・尾根を歩くためには登山経験が必要になってきます。金峰山はスタート地点から高い場所にあるため稜線に入りやすい登山になっています。高山病に注意をしながら登山をすれば「登山する人って何が楽しいの?」という人にも少し登山の魅力が伝わる山になるかもしれません。

10月でも東京都心の真冬の寒さのような環境に面しているため、体温の保持がとても大切になります。しかし、360°の景色にテンションが上がることも間違いありません。

稜線の西側には八ヶ岳が見えます。さらに西の向側に恵那山、木曽駒ヶ岳など中央アルプスや御嶽山があります。南西には甲斐駒ケ岳や北岳など南アルプスが見えます。天気が良ければ北アルプスまで見ることができるため、とてもいい見晴らしが期待できる場所です。

後ろをみると自分たちよりも低い雲も広がっていました。後ろの山が最初に通過した朝日岳です。

金峰山の頂上に近づくと、巨岩が積み重なった場所を登っていくことになります。どこの岩を選ぶかはあなた次第…。といっても目印がない場合は、人が多く登っているところを真似して登る方法が安全と考えられます。

金峰山の面白いところは、一等三角点の山頂地点と岩最高点の高さでは、岩の最高点の方が高いところです。一等三角点は国土地理院により様々な条件で設定されるため、山のいちばん高い場所とずれるケースもあるともいわれています。

向こう側に見えるのは五丈石という岩で、702年に蔵王権現と金精大明神を祀ったと言われています。その五丈岩の上から眺め見ようと一生懸命に登る人もいますが、今まで多数の傷病者が報告されています。

大きな稜線に出てから金峰山の頂上まで40分(合計180分)で到着できました。登山ガイドでは2時間半程度と案内されていることが多くありますが、休憩時間2回分を入れて3時間となりました。

山頂付近では座り込めるようなスペースがないため、お昼休憩は五丈岩周辺に多くの登山者が集まっています。なるべく朝早いスタートをすれば風当たりの少ない場所や眺めのいい場所に座ることができます。

2018年10月20日の下山時、午後1時過ぎには雪が降ってきました。頂上から大弛峠までは休憩を含めて2時間半で下山しました。よって、小休憩やお昼休憩を含めながら安全な登山をはかると合計6~6.5時間が必要となります。

日帰り登山・日帰りハイキングの登山は、頂上という地点をみんなで目指すという共通認識を持つ一方で、それぞれの楽しみ方を尊重しています。頂上までに何があるのか、頂上で何があるのか、下山までにどんなことを感じたのか、それを思い出にしていただき次の登山の楽しみに繋げてもらっています。もし興味があれば、この上に写ってる人からたくさんの笑顔をもらってみませんか。

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