登山家の深田久弥さんは長年に渡り山々の自然や歴史、地域の文化の特徴を捉え、「品格・歴史・個性・高さ」を基準にしながら日本全国から100個の山を選定したといわれています。モンベルの社長が出版する岳人でも日本百名山を選定しています。展望からの見晴らしや登る楽しさを選定基準にして、多数の有名登山家からアンケートを集計し100個の山を選定したといわれています。
北奥千丈岳は山梨県山梨市にある2601mの山です。奥秩父山塊の最高峰として多くの登山者が訪れますが、じつはどちらの日本百名山にも登録されていません。勝沼ICから大弛峠へ登り、その駐車場からスタートすると前国師岳、国師ヶ岳、北奥千丈岳、奥千丈岳を日帰り登山できます。このルートの中で、国師ヶ岳は岳人が選定した日本百名山であるため、こちら側も専門の登山者から評価されている山々です。
大弛峠の近くには大弛小屋があり、複数の山々を登山する人が使用します。多くは甲武信ヶ岳、金峰山から来る登山客です。数年前は、乾徳山からのルートも繋がっていましたが、崩落や倒木が多発し閉鎖されています。大弛小屋の左奥に案内標識が立っているため、それに従い進んでいくと登山が始まります。
最初に目指すのは「夢の庭園」です。
スタートからすぐに分岐路と看板があります。景色が観える方へ進んでいくと夢の庭園になります。
夢の庭園は、昭和35年に大弛小屋の管理人の山本今朝忠さんが発見し、高山植物の上に巨石と灌木が自然の采配によって配置された場所として名称がつけられました。昼間だけではなく、山小屋に宿泊する登山客が夜空を見渡す場所として人気を集めているのではないかと思いました。
夢の庭園の次は、「前国師岳」を目指します。階段が少しずつ少なくなり、岩を上がるような場所が増えてきます。
スタートから30分程度で前国師岳に到着しました。前国師岳の標高は2576mで大弛峠にいちばん近い山になっているため、金峰山を見るならこの山がいいかもしれません。360°の展望がよく、向側に見えるのは北奥千丈岳になります。
前国師岳から奥へ進んでいくと、分岐路に到着します。左側は国師ヶ岳と甲武信ヶ岳方面。右側は北奥千丈岳と乾徳山の方面です。どちらへ行くか迷いますが、岳人の日本百名山を増やすなら国師ヶ岳を優先し、奥秩父山塊の最高峰を優先するなら北奥千丈岳を選んでみるといいかもしれません。
11月の登山では、日没が16時30分よりも早くなるため下山の到着時間も早めに計算しなくてはなりません。私達は奥秩父山塊の最高峰を目指すため、「北奥千丈岳」を優先して登りました。
スタートから北奥千丈岳まで1時間(60分)で到着しました。北奥千丈岳は標高2601mです。下の写真はここから国師ヶ岳を眺めたときの景色です。国師ヶ岳の後ろには甲武信ヶ岳が雲の影に薄く見えています。ここからは甲武信ヶ岳が低く見えるように、北奥千丈岳は日本百名山に負けない抜群の眺望を持っています。
雲の状態によって浅間山や雲取山も見ることができます。
最後に「国師ヶ岳」を目指してみました。北奥千丈岳からは15分程度です。鎌倉時代から室町時代にかけて、高僧・夢窓国師の修行伝説から国師ヶ岳とうい名称がつけられました。標高は2592mで、甲武信ヶ岳から登山するルートに含まれています。
大弛峠からスタートして往復2時間半(150分)の登山になりました。階段が整備されているため、下山時には疲労感が溜まっていても最後までしっかりと歩けるルートになっています。
一日の中で仲間とひとつでも多くの山頂を踏むと、喜びの共感が湧いてきます。普段の生活や仕事で自分と合わない人がいるのはおかしいことではありません。そういったときこそ同じプラスの感情を共感できる場面が自分たちの関係に変化を与えてくれます。登山はとくにプラスの感情を仲間同士で共感できる素晴らしい運動です。登山を始めた方は、ぜひこれからも続けていきましょう。
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