日帰り登山・日帰りハイキング

金曜の夜から日曜の昼までは山に行くチャンス

四阿山(あずまやさん)鳥居峠から浅間山とキャベツ畑を見ながら登山

登山を趣味とする人の中で、四阿山という文字を見て『あずまやさん』と読める方はどのくらいいるでしょうか。四阿山は標高2354mの日本百名山です。長野県と群馬県を跨ぐ位置にあり、大きく4つの登山ルートに分かれています。長野県側は菅平牧場・四阿高原から、群馬県側は鳥居峠・パルコール嬬恋からのスタートとなります。

今回使用したルートは長野県上田市と群馬県吾妻郡嬬恋村の境に位置する『鳥居峠』からの登山をしました。

鳥居峠へ行くにはマイカーが必要となります。他の登山口とは違い、そこへたどり着くまでにコンクリートではない凸凹道を走行することになるため、マイカーの傷や汚れのリスクが大きくなります。

鳥居峠の標高は1362mで、登山ルートの中では標高差が高く人気の少ない静かな登山道です。(標高差992m)登山口では、的岩経由を登りルート、花童子の宮跡経由を下りルートとして案内されています。

地図のとおり、最短2時間55分で頂上に到着できるため、時間をかけてじっくり自然と触れ合う登山ができます。

スタート地点からは、広葉樹林に囲まれながら足元が安定した道を進んでいきます。針葉樹に比べ葉の色が明るく感じます。

スタートから50分で尾根に到着することができます。そこには高さ15m・長さ約200m・幅2~3mの『四阿山の的岩』があります。昭和15年に国の天然記念物に指定され、俵を積み上げたような奇観を見せています。四阿山は複数回の火山を繰り返してきたため、標高を上げるにつれて岩の上を歩くことが多くなっていきます。

スタートから1時間程度で見晴らしのいい尾根に出ることができます。

少しすると針葉樹も混ざった場所の中を歩くことになります。前半のルートは土が多く足の負担が少ないため、傾斜が強くてもゆっくりと進めば初心者でも息を切らすことなく登れるところです。

再び見晴らしのよい尾根に出てきます。これを何度か繰り返していくことになります。

四阿山の登山ルートの楽しみ方は、景色だけではなく植物にも向けることができます。小さな花が様々な色で輝いているため、いつも足元ばかり見ながら登山をしてしまう方でも『この山きれいかも…。』と言える環境が整っています。

的岩から1時間で標高2040mの展望広場へ到着します。休憩所もあり、夏場の暑さにも親切な場所となっています。このルートでは所々で『四阿山』と書かれた木が立っているため、このような場所へ来た瞬間、頂上と勘違いしてしまうかもしれません。

展望広場からは群馬県吾妻郡嬬恋村の広大なキャベツ畑が見えます。北軽井沢ではスーパーをはじめ市場で新鮮なキャベツを販売しています。

この写真は、登山前にキャベツ畑側から四阿山を見たものです。同じ日の写真ですが、ここら辺はとても湿度が高いことが分かります。そのため、登山には必ず雨具が必要となります。

展望広場からは岩が多くなり力強く登るような場所が多くなってきますが、足元の岩や石が安定しているため難易度としては高いわけではありません。

どちらかと言えば、木の階段を慎重に登り降りしなければなりません。高い湿度により木が腐りやすいことや苔が生えやすい条件となっているため、早さより安全を優先して転倒しないように進む必要があります。

稜線ではさらに広大な展望が期待できますが、この日は山霧によって1分ごとに見える景色が変化していきました。

後ろを見ると左へ曲がっていく尾根を登ってきたことが分かります。

展望広場から30分で、標高2179mのポイントで赤と白の旗が立っていました。何か分からず旗で遊んで通過だと少し残念な登山で終わります。

近くの標識を探すと『嬬恋清水』という案内がありました。登山口の地図にも、この分岐点から往復10分と案内されていますが、肉眼で確認すると10分で戻ってくるのは困難な距離にあります。

標識の案内を読むと、関東の中でいちばん標高の高い湧き水になっていることが説明されています。この登山ルートはそれほど長時間を必要としないため、その湧き水に触れてみるのもいいかもしれません。

真夏の季節でも氷水のような冷たさでした。2ℓのペットボトルを持っていけばよかったと後悔するほど透き通るようなおいしい水でした。

嬬恋清水からは階段の場所が多くなっていきます。高山植物が多くなり周辺の木も少しずつ低くなっていきます。

嬬恋清水から25分で登山ルート分岐点へ到着しました。ここは長野県の菅平牧場から続く登山ルートとの分岐点です。

左側を見ると登山者が登ってきました。

右側は頂上側で、10分程度の距離となります。


山頂の手前には山家神社の奥宮があります。歴史上では、西暦718年に浄定(きよさだ)という僧が苦修練行により白山比咩大明神を勧請したと伝えられています。その奥宮を四阿山に置き、多くの修験者がここを登ってきました。その途中で修験者が嬬恋清水を飲んでいたことも書かれています。おそらく、昔の頂上はこちらだったのではないかと考えられます。

分岐点から10分で頂上に到着しました。私たちは3回の休憩も含め3時間30分でここまで登ることができました。

鳥居峠からの登山ルートでは登山者と一人も会うことがありませんでしたが、頂上では次々と登山者が登頂を達成しにきます。頂上は決して広くないため場所を確保するには運も必要となります。

頂上では景色が少しでも良くなると周りの登山者も一斉にスマホやカメラを持って立ち上がり、お互いに場所を譲り合うような状態が続きました。

↑北側の眺め↑

↑西側の眺め↑

↑南側の眺め↑

帰りに気づいたのが、分岐地点の方が眺めがいいということです。天候が良ければ北アルプスから南アルプスまで一望することができます。標高もほとんど変わらないため、ここでお昼休憩をとるのもいいかもしれません。

同じルートで下山すれば2時間程度で鳥居峠の駐車場へ到着します。東京からは遠い場所に位置していますが、登山時間は長くありません。登山をしていて感じたことは、日本百名山の中でもルート上にゴミが全く落ちていない綺麗な山でした。次の登山はどこにしようか迷うほど気分転換をはかれる心地よい登山を楽しむことができました。ぜひ皆さんも行ってみてください。

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